営業・マーケティングは、多くの労力を投入しても必ずしも期待通りの成果が得られるとは限らない、まことに悩ましい事業活動です。売上の変遷は目に見えるので、売れた時は「花形」として褒め讃えられる一方、売れなかった時は「諸悪の根源」かのように叩かれもしますが、「なぜ売れたのか、売れなかったのか」という検証を徹底できている企業は意外に少ないものです。
こう書くと「ウチはちゃんと定例会議で行動確認や売上見込みのヨミ込みをしているし、売れなかった時の振り返り
と対策を考えて実行しているからまだましかな」と思う方もいらっしゃるでしょう。
それなら、なぜ売上・利益目標を達成できない、もしくは達成できたりできなかったりするのでしょうか?
それは、営業・マーケティング活動の上流(戦略)から下流(個々の営業マンの営業活動)に至るまでのプロセスのどこかに目標達成を阻害する要因があるからであり、営業・マーケティング活動の司令塔である「営業本部」が適切に機能していないことに多くの原因が潜んでいるからです。
中小企業では、社長や営業部長が専権事項として営業戦略を策定しますが、他の役員からの内容検証は行われないの
が普通です。従って、営業戦略に課題があっても是正する機会がなく、司令塔である営業本部の役割や機能等に関し
ても長らく顧ることさえないことが常態化しています。これでは、目標達成できたら「流石は社長(部長)!」と称
賛され、できなかったら「、、、景気悪いですからねぇ」と傷をなめ合って終わりです。
そこで、営業・マーケティングの司令塔である「営業本部(あるいは実質的にその役割を担う人や部門)」 に着目し、ビジョン達成に資するあり方について概観します。
【論点】
1.営業本部の期待役割と果たすべき機能の再定義(本コラム)
2.営業戦略の策定
3.営業本部運営方針の策定
4.営業部門におけるメンバーマネジメント
5.営業本部責任者(CMO)が具備すべき資質
では早速はじめましょう。