利益確保は経営にとって最大の関心事であり、国内市場の成熟化・縮小化のため今度も大きな成長が望めない以上、売上拡大は簡単ではなく、コストマネジメントの重要性が格段に増しています。従来のようにコストを「単なる支出」と捉えてコツコツ削減するだけでは不十分であり、利益創出のために投入される「経営資源」として捉えることが必要です。利益拡大のために必要なら投入コストも増加させるべきである一方、その必要性や費用対効果の検証と、コストパフォーマンスに優れる代替品の導入等も徹底的に検討することでコストを最適化することが肝要です。
本サービスでは、コストマネジメント戦略を戦略策定プロセスと戦略遂行プロセスの2つのフェーズに分け、コスト削減による利益確保を実現したい経営者を支援します。
前者では、コストマネジメントの基本的な考え方を認識したうえで現行コストの必要性をひとつひとつ検証、最適化と適正化を図ります。また後者では、コスト削減の空白地帯になりがちな「外部調達費」に切り込み、短期的なコスト削減やサプライヤーを泣かせるコスト削減ではなく、顧客とサプライチェーン全体を含めてコストを長期的に最適化できる仕組みを構築します。利益確保の仕組みを確立すると同時に、売上が大きく下振れした時でも耐えられるコスト構造を構築することが可能です。
コストには、利益を創出するための投入される経営資源としての側面と、支出としての側面があります。前者では投入すべきかどうかの必要性の検証が、後者では支出額の適正化が重要であり、判定基準や対処方針等をまとめるための指針を導き出します。
■ コストマネジメントの必要性の認識
■ 経営資源として捉えた場合の必要性判定基準の検討・設定
■ 支出として捉えた場合の適正化基準の検討・策定
■ 調達費及び人件費におけるコスト構成要因の明確化 等
現行のコストに対して「そもそもこのコストは本当に必要なものなのか」をひとつひとつ検証します。また効果から見た妥当性、代替品へのシフト等で絶えずコスト削減を図ることと、万一の売上不振にも耐えられるコスト構造の構築も視野に入れて対処します。
■ 費用対効果の最適化
■ より良い・より効果的な製品・サービスへのシフト
■ 現行業務の生産性改善
■ 固定費の変動費化に関する検討 等
必要性が確認されたコストは実際に支出されます。この段階では、自社だけでなくサプライチェーン全体を俯瞰して、重要なコスト決定要因をコントロールして適正なコスト水準を確立するための方針をまとめます。
■ 一括大量発注によるボリューム・ディスカウントのシミュレーション
■ コストドライバー及び重要なコスト決定要因の明確化
■ サプライヤーと顧客を巻き込んだ協力関係の構築
■ サプライチェーン全体のコスト最適化方針の策定 等
外部調達コストのコスト削減が困難な原因を明らかにし、コストインパクト(削減効果)をシミュレートして定量的に把握します。当該領域のコスト削減は、全社を横断する取り組みとなるため、プロジェクト体制及び望ましいリーダーシップを整備します。
■ コスト削減アプローチのコンセプト設計
■ コスト削減未着手の要因分析
■ コストインパクトのシミュレーション
■ コスト削減プロジェクトチームの発足 等
コスト削減の最初の取り組みは、データをコスト削減のための最適な状態へと整備することです。通常の管理費科目ごとのデータのままではなく、各部門における内容の細目、管理状況、コスト削減に対する意識まで精査することにより、現状を分析します。
■ 費用項目内容の精査
■ コスト削減目的に応じた費用細分化
■ 部門別コスト管理レベルの把握
■ コスト削減取組姿勢の確認 等
その他外部調達コストは多種多様な調達品の集合体であるため、コスト削減アプローチを検討するためには、コスト構造、価格水準、サプライヤーの業界構造等を適切に把握して実効的なアプローチ方針を策定、コスト削減に取り組む優先順位を決定します。
■ コスト削減品目特性の検討
■ コスト削減アプローチの特定
■ コストインパクト(削減効果)の定量化
■ コスト削減対象費目のプライオリティの決定 等
戦略なきコスト削減交渉で成果を得ることはできません。サプライヤーも価格引下交渉に対するロジックを準備しているのですから、彼我のSWOT分析を行ったうえで臨むことは必須であり、サプライヤーにもメリットのあるwin-win構築を目指して交渉を断行します。
■ サプライヤー別交渉力の明確化
■ 自社の品目別交渉力の明確化
■ コスト削減交渉体制の設計
■ サプライヤー別コスト削減交渉の設計 等